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2010年6月18日

役員報酬の実態から見る、米経済の実情

サブプライムローン問題に端を発する金融危機以後、景気は回復傾向にあるとするメディアがある一方で、多くの企業は依然として不況から抜け出せていないとするメディアもある。一体、米国の経済状況は好転しているのか? そこで、2010年6月10日にマーサー ジャパンが発表した、「米国における役員報酬の実態」というレポートを元に、米国経済界の実情を探ってみたい。

■基本給

マーサー ジャパンのレポートによれば、昨年、多くの企業が社員の解雇をせずに固定費を削減するために、社員・役員に対する給与の凍結、自発的あるいは強制的な減給などを実施した。しかし、多くの企業が2年続けての昇給凍結・減給は避ける見込みだという。2010年は昇給を予定している企業が多数を占め(65%)、また昨年の報酬カット分の回復を行なう予定の企業もある(11%)。ただ、大幅な昇給は予定されておらず、弊社の実施した別のサーベイ結果によると、役員レベルの予定昇給率は平均で2.8%となっている。また、25%の企業が役員報酬の昇給を予定しておらず、そのほとんどは昨年も昇給を実施していない。

■短期インセンティブ

短期インセンティブの実際支給額は依然として予測不可能。調査に参加した企業の半数近くが、2009年の業績結果に基づく短期インセンティブの支給額はターゲット水準を下回るか、またはまったく支払われないと予測している。つまり、多くの企業において、高水準な短期インセンティブは2年連続して支給されない見込みだということだ。

■長期インセンティブ

長期インセンティブの付与水準は安定していると見られ、2009年には約25%の企業が長期インセンティブの付与水準を低下させたものの、約60%の企業は2010年も2009年と同水準を付与すると見込まれる。残りの25%は未定。2009年に長期インセンティブの付与水準を減じた企業の 2010年の方針は減額分の回復、現状維持、未定の3つに分かれるという。

2010年の役員報酬に関する調査結果は、通常の経営環境、つまり昇給と安定した短期インセンティブ・長期インセンティブの水準へ回帰しようとする企業の意図が反映されていると考えられる。つまり、米国企業の多くはすでに不況の底を脱しており、回復への歩みを進めているのだ。

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